白内障手術Cataract surgery

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(2023年度実績)

白内障とは?About cataract

白内障とは、さまざまな原因で、目の中の水晶体(レンズ)が濁ってしまう病気です。濁った水晶体(レンズ)は光の透過性が低下するので、ものがぼやけて見えてしまい、視力が低下します。汚れたレンズのカメラで写真を撮ることやメガネのレンズが曇っている状況とよく似ています。白内障で濁ってしまった水晶体(レンズ)は点眼薬などの薬剤では透明に戻すことができません。
そのため手術が必要です。手術中に痛みを感じることもほとんどありません。より良い視力を得るためには白内障手術が必要と思われます。
正常な水晶体

見え方

白内障の水晶体

見え方

手術の概略Surgery

白内障の治療には点眼薬や内服薬による治療がありますが、視力が改善する治療方法は手術以外にはありません。
【水晶体超音波乳化吸引術】【眼内レンズ挿入術】2つを同時に行います。
手術予定時間は10分弱です。

1水晶体超音波乳化吸引術

水晶体は水晶体嚢(すいしょうたいのう:水晶体の袋)と呼ばれる透明で非常に薄い膜に包まれています。
手術ではこの膜を残して濁った中身だけを取り除きます。

通常は「超音波乳化吸引術(PEA)」の術式で手術を行います。

※非常に重症な方、特殊な疾患の方にはごく希に「嚢外摘出術(ECCE)」と「嚢内摘出術(ICCE)」の術式を行います。

麻酔について

当院では通常の白内障手術は点眼麻酔で行います。
必要があれば局所麻酔の注射を行うこともあります。
点眼麻酔以外の麻酔が必要と判断された場合には個別に必要性を説明いたします。麻酔による合併症は非常に稀ですが、麻酔薬に対するアレルギー反応で気分が悪くなったり、ショックを起こす場合があります。

輸血について

手術による出血は非常に少ないため輸血は行いません。

2眼内レンズ挿入術

残した水晶体嚢の中に眼内レンズと呼ばれる人工のレンズを入れます。
眼内レンズを挿入することによってピントが合いやすくなりますが、より良い視力を得るためには眼鏡が必要になります。
眼内レンズは生涯にわたり眼内に入れたままでお手入れの必要が無く、交換の必要も通常はありません。

3術後について

可能性のある合併症と程度

上記以外にも白内障手術には多種多様な合併症が起こり得ます。追加の治療が必要な場合や再手術が必要な場合、最悪では失明することもあります。
しかしながら、いずれの合併症も頻度はかなり低く、一般的には安全性が高い手術のうちの1つです。

眼内レンズについて

眼内レンズの種類

人間は水晶体の厚さを変えて焦点を合わせていますが、眼内レンズはあらかじめ設定した距離に焦点が合うようになっています。
合わせる焦点の距離によって、3種類のレンズがあります。

  • 単焦点レンズ

    ある1点の距離に焦点を合わせています。
    ピントを合わせた距離のものが非常にクリアに見えます。

  • 2焦点レンズ

    ある2点の距離に焦点を合わせています。
    2つの焦点距離にあるものが同時にクリアに見えます。

  • 3焦点自然視覚レンズ

    ある3点の距離に焦点を合わせています。
    3つの焦点距離にあるものが同時にクリアに見えます。

見る対象との距離によっては
眼鏡が必要
老眼前の見え方に近い

※焦点があっているところでも、場合によっては眼鏡が必要なことがあります。
※術後の見え方には個人差があります。

多焦点眼内レンズ手術の費用について

多焦点レンズはレンズ代金が別途必要となる選定療養となります。手術代の自己負担分他に別途費用眼内レンズ代が片眼につき10万円~30万円程度(税別)となります。
術中の合併症等発症した場合はやむを得ず単焦点眼内レンズを挿入する場合があります。その場合は通常の保険での請求となります。
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は国が定める選定療養であり、当院は実施施設として登録されています。

保険適用
見え方
手術代
単焦点レンズ

一点にピントが合う

1割・2割負担…片眼 約1万8千円
3割負担…………片眼 約5万円程度

多焦点レンズ

(一部 選定療養)

遠方中間近方三点にピントが合う

左記の手術代に別途眼内レンズ代10万円~30万円程度(税別)が必要です。

多焦点眼内レンズ特有のデメリット

暗いところで光を見た場合に光の輪郭がにじみます。
明るい場所でも単焦点眼内レンズと比較して若干にじみを感じるかもしれません。
眼鏡が全く要らなくなる可能性は80%程度です。細かい文字などを長時間見る場合には眼鏡を使用した方が楽な場合があります。 多焦点眼内レンズを挿入した場合でも眼鏡による矯正が必要になる場合があります。
眼鏡による矯正を希望されない場合はLASIKなどによる角膜のレーザー治療が追加で必要になる場合がありますが、LASIKは当院の設備にはありませんので他院へ受診が必要になります。LASIKは自費診療です。この場合はご自身で診療費用をご負担いただくことになります。
多焦点眼内レンズで遠方と近方の見え方に順応するまで1年以上かかる場合があります。
見え方に順応できなかった場合は最終手段として多焦点眼内レンズを単焦点眼内レンズに交換する必要がある可能性があります。

手術当日のスケジュールSchedule

受付

当日の来院時間は1週間前にお知らせいたします。
貴重品はなるべく持ってこないか、付添の方にお預けください。
※指輪やネックレスは、はずしてください。入れ歯や補聴器は入れたままで結構です。

受付後、スタッフが術前処置室へご案内いたします。消毒の効果を上げるために洗顔します。
女性の方は化粧を落としていただきます。

手術
手術2時間前〜

定期的に瞳をひらく目薬や抗菌剤、麻酔の目薬をし、点滴をします。

手術中

手術中は医師やスタッフの声が聞こえますので安心してください。
手術中は5分毎に血圧を測ります。

手術後

手術後1時間は院内のベッドで安静にしてお休みください。異常がなければ、ご帰宅していただきます。
内服薬を受け取り、お気をつけてお帰りください。
※お会計は翌日になります。

ご宿泊をご希望の方は、最寄りのホテルを手配させていただくことも可能です。
詳しくはお問い合わせください。
帰宅後
  • 手術後は眼帯をし、片目になりますので、歩行や階段などお気を付けください。
    眼帯は翌日まではずさないでください。
  • 手術当日はなるべく安静にしてお早めにお休みください。
  • 手術した眼を下にして寝たり、強く圧迫したりしないでください。
    →出血や傷が開く原因になります。
  • 洗顔・洗髪はできません。顔はタオルで拭く程度にしてください。首から下のシャワーもご遠慮ください。
  • お酒・タバコは控えてください。
    →出血しやすくなったり、傷の治りが遅くなったりします。
  • 翌日は眼帯をしたままで、午前の早い時間に外来診察においでください。
白内障手術の説明会を開催しております。
当院では、患者様だけではなく、ご家族様も参加いただける説明会を月1〜2回開催しております。
白内障の概要や治療方法、手術についてなど、わかりやすく説明させていただきます。
※手術をご予約された方が参加可能です。
開催時間1時間ほど
参加人数15〜20人ほど

詳しくはお問い合わせください。

018-880-2227